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第221号 脳の発達に影響を与える「ゲーム依存」
■■■ 急増する「ゲーム依存」 ■■■
昼夜逆転、不登校、キレる、暴言・暴力、など
特に小学校高学年~中高生の子どもを持つ
親御さんからの相談が増えました。
ゲーム依存の問題は、本人だけの問題にとどまらず、
親、教師、友達など、周囲とのトラブルにまで
影響が広がりつつあります。
ゲーム障害は、2018年6月にWHO(世界保健機構)で
国際疾病分類(ICD-11)に加えることが発表され、
翌2019年5月25日に採択されました。
日本だけにとどまらず、世界的に問題と
されているのです。
新型コロナウィルスの影響で外出が減る
生活になり、ゲーム依存は更に
深刻な問題となっています。
ゲーム依存を起す脳にはどんな問題が
生じているのでしょうか?
■■■ ゲーム依存で起こる脳の問題 ■■■
ゲーム以外を「しなくなる」ことが問題です。
例えば、
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・人の話を聞かなくなる
・朝起きなくなる
・運動しなくなる
・学校に行かなくなる
・積極的に働かなくなる
(子どもなら、積極性がなくなる) など
-------------------------------
「〇〇しなくなる」ことの弊害は、
ずばり脳が成長しないことです。
実際、ゲーム障害の人の脳をMRI画像で
見てみると、ゲームに使われる脳の一部だけが
極端に発達しており、その他使われない
脳番地は未熟な状態です。
言わば「いびつな脳」をしているのが
ゲーム障害の脳です。
特に問題なのが、脳の発達がまだ十分でない
子どもがゲーム依存になることです。
発達させるべき年齢の時に、脳が成長しない
という問題が発生します。
例えば、不登校になる理由の一つに「人が怖い」
という子供がいますが、ゲームばかりしていると、
リアルに友達と遊んだり、しゃべったりする機会が
減り、人から情報を得るために必要な視覚系、
聴覚系脳番地の発達が未熟となり、
また自己感情を司る左脳の感情系脳番地も
未熟な為「怖い」という感情が生れます。
また、ゲームに集中しすぎる子の多くは、
人の話が聞けなくなります。
親にキレるという態度は、人の話を聞く事が
極端に少なくなるため、聴覚系や理解系脳番地の
発達を妨げ、聞けない脳となり、
相手の話が理解できずキレやすくなります。
親であればそのキレ方は他人と比べ何倍にも
ひどい状況になります。
■■■ ゲーム依存を解消する対策は? ■■■
正常な状態に戻すには、時間がかかることを
理解しておきましょう。
いびつに成長した脳は、極端にできないこと
苦手なことを嫌います。その為、未熟な脳を
使う行為は非常に反発されます。
しかし、だからと言って手を付けないと
更に脳のいびつさが増しますので早めに対処を
試みましょう。
ポイントは、
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・ゲーム以外の楽しみをつくる
・時間を守る
------------------------------
この2つです。
いくつか患者さんでも実践して効果があったものを
ご紹介します。
1)散歩習慣
ゲームばかりしていると、体や目を動かす機会が
極端に減りますので、外に出て散歩することは
運動系、視覚系脳番地を活性化させる良い方法です。
親子で一緒に散歩をすることで、会話をしたり
また、花や街並みなど、視覚情報で気付いたことを
言葉にさせることもいいトレーニングになります。
特に昼夜逆転し学校へ行けなくなっている
お子さんがいる場合は、朝や日中に散歩に
連れ出すことをお勧めします。
日中に体を動かすことは、夜の睡眠を促す効果も
期待できます。
できれば1時間は歩きましょう。
2)ペットを飼う
ペットの世話をすることは、視覚系・理解系・
感情系脳番地の発達によい影響を与えます。
ペットの気持ちを考えたり、可愛いという感情が
芽生えると、感情系脳番地も育ってきます。
また、犬の散歩など上記1の習慣づくりにも
役立ちます。
3)約束ごとをつくる
突然ゲームを0にすることは大変です。
なので「ゲームをやっていいよ、ただし
〇〇ならね」と約束ごとを決めてゲームを
させることが大事です。
例えば、
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・宿題をやったら
・ご飯を食べたら
・お手伝いをしたら
・朝起きて学校に行くまでの間
----------------------------------
などの約束ごとです。
また、ゲームをやってよい時間を1時間など
決めておくことも有効です。
スマートフォンやタブレットを使用している場合
契約の携帯会社で時間など制限がかけられる
ものがありますので、利用することも必要です。
毎日の生活習慣が、脳の成長に大きく影響します。
新型コロナウィルスの影響で、生活も大きく
変わりましたが、工夫をしながら脳を伸ばす
生活をしていきましょう!
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