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第281号 人生がラクになる「脳の練習」

■ 人生がラクになる 脳の使い方

「いつも悩みが絶えない」
「悩みがなくなればもっと人生がラクになるのに」

こんなことを思ったことはありませんか?

仕事や家庭、学校や地域、自分の容姿や
健康に関する悩み…など、世の中には
数えきれない悩みが存在しています。

私はこれまで、1万人以上の脳画像診断をし
多くの方の様々な悩みの相談を受けてきました。
相談を受けるたび、いつも実感するのは
人というのは、色々なことをきっかけに
悩みを抱え込んでしまうということ。

一度悩み始めると、ずっとイヤなことを
繰返し考えてしまう。当事者からしたら、
こういった状態から早く抜け出したい。
そういった気持ちでしょう。

では「悩む」ことは、私たちにとって、
有害なのでしょうか?

この問いに対する私の答えは
「有害ではない」です。

人は悩みを抱えると、そこから解放されたい
と願い、色々な解決方法を考えます。

実はこの時の脳は活発に働き、現状を乗越える
為に成長しようと必死に頑張っています。

先ほど悩みは「有害ではない」と言ったのは、
つまり「悩みは脳の成長チャンスである
とも言えるからです。

■ 悩みグセは脳を診ればわかる!

私は患者さんの悩みを聞く際に、MRIで脳を
撮影し、脳画像をもとにお話しを伺います。

脳を診るとよく悩む人には「悩みグセ」が
脳画像にも表れています。

悩みグセのある人は、過去の記憶にとらわれがちで
自己否定が強い傾向にあります。こういった方は
記憶系脳番地が強く働きすぎ、イヤな事が忘れられず
いつまでも悩み続けてしまいます。

また、聴覚系脳番地が強く働く人も、人から
言われたイヤなことをずっと覚えていて、
クヨクヨ悩んでしまいます。

一方、悩まない、悩んでもすぐに解消して
いる人をみてみると、行動力がある人
悩みから比較的早くに抜け出す傾向にあります。

これは、悩みにとどまらず、解決策を講じたり、
別のことをして気分転換し、悩みからすぐ離れる
方法をとっているので、いつまでも悩み続ける
ことが少ないのです。

悩みグセがある人でも、自分で「悩んでいる」
と気づいたら、友達に電話をかけ休みのの予定を
たてたり、散歩に出かけるなどの行動も、
脳を切替えるスイッチになるので、悩みグセを
断ち切る良い方法になります。

■ コロナ禍の行動自粛で脳にも大きな影響が!?

2020年、新型コロナウィルスの感染拡大により
私たちの生活は大きく変化し、脳番地の働きにも
影響を与えました。

外出制限は、まさに運動系脳番地に影響を及ぼし、
室内にいることが増えた為、運動量が激減しました。
毎朝の運動がわりの通勤も、テレワークに変わった
ことで、ほぼゼロになってしまいました。

また、外出することが減ったことで、視覚を使う
機会も圧倒的に減少し、機能の衰えにつながって
います。

そして、人と会う回数が減少したことで、
伝達系、聴覚系、感情系脳番地の機能低下にも
影響を与えています。

オンラインでコミュニケーションは取っている方も
いますが、対面に比べ情報量は減少し、脳が受ける
刺激の量が減っています。

これらの生活は、脳の働きや感度を低下させ、
嫌なことが起こった訳ではないのに、何となく毎日が
憂鬱、楽しい気分になれないなどの、新たな悩みを
生み出しています。


私たちの「脳」は外部環境や日々の生活に
敏感に反応し、脳の働きを左右します。

脳の状態を整える為にも「脳の動かし方の練習」が
必要です。脳が外部環境や生活に敏感に反応するのなら、
これからの脳の動かし方次第で、好転させることも
できるのです。

上手に脳を使えれば、悩みがスーっと消えていきますよ。

 
 
 
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 (日経BP 日本経済新聞出版)
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