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第265号 大人の発達障害~背後に潜む感情認識障害~
■ 二つの感情認識障害とは ■
大人の発達障害という言葉はよく聞くものの
「感情認識障害」という言葉はあまり広くは
知られていません。
脳にある、8つの脳番地の中でもとりわけ
感情系脳番地が未熟な場合、感情認識障害を
引き起こします。
感情系脳番地には、2つの感情があります。
自分の気持ちである「自己感情」と
他人の気持ちを察する「他者感情」です。
この2つの感情のどちらか、又は両方が
未熟なために、感情認識障害は起こります。
例えば、家族や恋人が何を考えているのか、
さっぱり理解できなかったり、
自分の発した一言で、相手を傷つけていても
全然気が付かないなど、こういったケースは
他者感情が未熟な可能性があります。
一方、「あなたの長所は何ですか?」
「将来の夢は何ですか?」などの質問に、
自分の気持ちを明確に答えることが
できないのが、自己感情が未熟な方です。
この感情認識障害が、実は大人の発達障害の
背後に潜んでいるのです。
■ 自分の気持ちが分からない感情認識障害が多い ■
就職活動をする学生さんからもよく聞く、
「自分が何がしたいのか分からない」
と言った話を聞きます。
また私のクリニックにも「自分に合う仕事が
知りたい」と受診してくる方が多く
いらっしゃいます。
人間には悩みがつきものですが、自分自身への
理解が浅いと「どうしたらいいか分からない」
という悩みに発展します。これが自己感情が
未熟なために起こる悩みです。
発達障害の中でも、ADHDや注意欠陥障害の人は
他人の影響を受けやすい為に、
自分の気持ちを失い、他人に同調しやすくなります。
特に、多動や衝動性がない注意欠陥障害の人は、
自主性が乏しく、自分の意見を持つことも
少ないので、より周囲に同調してしまい、
他人に振り回されることもしばしば起こります。
他人にばかり合わせた生活をしていると、
当然自己感情は育たず、自分自身が
分からない悩みが生まれます。
社会に出て働き始めると、自分の意見を
発言する場面や、状況判断をする機会が
増えます。自己感情が未熟な場合、
このようなシーンで凝り固まってしまい、
頭が真っ白、悩むケースが増え、本人にとっては
苦しい状態になってしまうのです。
■ 感情認識障害を悪化させる生活習慣 ■
感情認識障害は、脳の感情系脳番地が未熟な為に
問題を起こします。
その為に感情系脳番地を育てるトレーニングは
必要ですが、その前に基本的生活習慣を
改めることが大事です。
特に「睡眠」。
睡眠不足は脳全体の機能を低下させます。
夜間に深い眠りにつかないと、日中の覚醒が低く
頭がすっきりしない状態が続きます。
その為、注意力が著しく低下し、周囲への気配りが
できなくなります。睡眠不足が結果的に他者感情を
育てる機会を減らす原因となるのです。
また、睡眠不足は感情そのものにも影響を与え、
楽しい、嬉しいとなど、感じる力が鈍くなるので、
感情認識障害を悪化させます。
夜は遅くとも、23時までには布団に入り、
7時間以上寝るように心がけましょう。
脳はいくつになっても、成長しますので、
基本的生活を見直し、感情系脳番地を育てて
いきいましょう!
感情認識障害の問題について詳しく紹介し、
脳を育てる為のトレーニングをご紹介しています。
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