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第259号 Dr.加藤俊徳が実践する 脳が変わる 超・瞑想
■ 脳は変えることができる! ■
私はこれまで40年近く、脳の医療や研究に
携わってきましたが、瞑想について
脳科学的視点から、多くの方法を編み出し、
自ら実践してきました。
そして、その一部を治療に取り入れ、
多くの患者さんへも指導してきました。
そんな私だから言えること、
「瞑想で脳は変えられる」ということです。
瞑想とは、世間で言う「無心になる」状態や、
マインドフルネスで言う「今ここに意識を向ける」
などを表しますが、これは「脳の一部だけを動かし、
他の部分は休ませている」と言いかえることができます。
また瞑想と聞くと「目をつぶって座禅を組む」とか、
「雑念を捨てて無心になる」必要があると
思いがちですが、そうとは限りません。
私がこれまで行ってきた瞑想は、脳科学に着目し、
導き出した方法で、これを私は
「脳科学的瞑想」と呼んでいます。
簡単に言うなら「脳が変わる」瞑想であり、
脳の使い方をコントロールすることで意識を変える方法です。
今回はその一部をお話ししたいと思います。
■ 「脳科学的瞑想」は〇〇できる! ■
冒頭でも触れましたが、私が行っている瞑想は
脳を変える瞑想法です。
脳には8つの脳番地があり、場所ごとにそれぞれ
機能が異なっています。
記憶系脳番地/視覚系脳番地/感情系脳番地
思考系脳番地/理解系脳番地/聴覚系脳番地
伝達系脳番地/運動系脳番地
これらの脳番地のどこに狙いを定め、活性化させるか。
「変えたい、変わりたい」という一人ひとりの
目的に合わせ選択的に瞑想を行っていくので、
座禅を組む必要もなければ、必ずしも無心になる必要も
ないのです。
また、瞑想では呼吸が大事と言いますが「脳科学的瞑想」も
その点は同じです。
ここでちょっと、自分の頭の中を想像してみてください。
脳がうまく使えていると、脳内の血管から細胞へと渡る
酸素交換がスムーズに行われています。
反対に、頭に血が上り、カッとなった状態は、脳内に
血液が増え、血管から細胞へうまく酸素交換が行えていない
状態なのです。
皆さんはこの酸素交換を見たことがないと思いますが、
脳の血管内の酸素を測る機械fNIRSを使い、
私が発明した脳酸素交換量(COE)の計測法を使えば、
脳の酸素交換がスムーズに行えているかどうかを調べることが
できます。
脳が働くためには、スムーズな酸素交換が必要で、
その酸素は呼吸によって、体内に取り入れられます。
呼吸は普段は無意識に行われていますが、意識して
コントロールすることもできます。
上手に脳を働かせるために、瞑想に呼吸法をうまく
取り入れることは、脳を変えていく重要なポイントです。
■ 見る力を高める瞑想法 ■
今回はまず簡単な脳科学的瞑想をお教えします。
私たちは普段、見ているようで見ていない
毎日を送っていることにお気づきでしょうか?
街角で歩いている人たちを観察してみると、
手にはスマートフォン、耳にはイヤフォンをし
街の風景や行きかう人などに注意を払うことなく、
歩いている方が多いように見えます。
こういった人は周囲を気にする力「見る力」が
弱まっているため、人や壁に肩や手足がぶつかったり
します。
見る力は、感情とも結びつきが強いので、
最近モヤモヤ感や不安、怒りが多い、楽しいことが
あまりないなどと感じる場合、まず見る力を高める
瞑想法から始めてみましょう。
この瞑想法はできれば天気の良い日に是非屋外で
やってみてください。
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◇ 大の字瞑想法 ◇
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1)公園の原っぱなどで、大の字になって寝ます。
2)仰向け状態で、長い呼吸をします。
鼻から息を吸い、ゆっくり口から吐き出します。
1回の呼吸を長く、1分間に4回の呼吸になるよう、
ゆっくり息を吐きます。
3)目を開けて、真上の空を眺めます。
4)空の雲の様子、鳥が飛ぶ姿など、ありのままを
見つめ続けます。
※少なくとも1分以上、できれば5分以上続けて下さい。
※食後おなかいっぱいの時がおすすめです。
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「ありのままを見る」とは、目の前の現象をそのまま
捉えることです。一見簡単そうですが、大人になるほど
難しくなります。
なぜなら、大人になるにつれて、様々な脳番地が
発達し、余計な考えが頭に浮かんでしまったりと
純粋に見ることが難しくなるのです。
今回は一例の紹介でしたが、脳は瞑想方法によって
変えることができるので、是非あなたの脳が元気に
働くよう、毎日の生活に取り入れてみましょう!
『名医が実践する 脳が変わる超・瞑想(サンマーク出版)』では、
加藤俊徳先生がこれまで実際に行ってきた瞑想方法を
多数ご紹介しています。
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