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第257号 日中の眠気 まさか私が「睡眠時無呼吸症候群」
■ 夜寝ているのに昼間眠い、なぜ? ■
夜寝ているにも関わらず、日中眠くてたまらない
なんてことありませんか?
日中の眠気は、仕事や学業に支障をきたし、
周囲から注意されるなど悩みの一つになっています。
日本は世界的にみても、睡眠不足国と言われ、
特に50歳代女性の53.1%は6時間未満で最も低い数値
です。(令和元年国民健康・栄養調査結果の概要より)
睡眠不足が原因であれば、睡眠時間を増やすことが
第一の改善策となります。
しかし、睡眠時間を増やしても日中眠い、
または現在十分な睡眠が取れているけど眠いという方
は他に原因が隠されています。
その一つが『睡眠時無呼吸症候群』、
寝ている間に呼吸が止まるっている病気です。
放置しておくと、心臓そして脳の病気を発症し、
また認知症発症にも関係していると言われている
病気です。
■ 睡眠時無呼吸症候群とは? ■
睡眠時無呼吸症候群には大きく分けて2つの
種類があります。
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1)OSAS:閉塞性睡眠時無呼吸症候群
寝ている間に、舌根(舌の付根)や口蓋垂
などが落込み、上気道(鼻から喉頭までの
空気の通り道)が塞がれ、呼吸ができなくなる症状。
2)CSAS:中枢性睡眠時無呼吸症候群
脳から呼吸の指令が送られない症状。
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睡眠時無呼吸症候群の約9割がOSAS(閉塞性)です。
特に肥満、顎が小さい、鼻喉に問題があるケース、
そして加齢による筋肉の緩みで生じやすくなります。
クリニックの患者さんにも、まずは睡眠時間を
お聞きしますが、十分寝ていても眠いと言う場合、
睡眠検査を行います。
すると、比較的高い確率で睡眠時無呼吸症候群が
見つかり、本人は「寝ている時のことなので、
全く気付かなかった」と言うのです。
睡眠時無呼吸症候群の分かりやすいサインは
「いびき」です。
上気道が狭くなり、狭い気道を空気が通る時、
粘膜が揺れ、いびきが出ます。
ご家族から「毎日いびきがうるさい」と言われる方は
要注意です。
さらに、せき込んで目が覚めてしまう人は
呼吸が止まった結果、反射的にせき込んで、
目覚めている可能性があり、危険な状態です。
■ 睡眠時無呼吸症候群は、認知症発症にも影響 ■
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が止まることや
低換気の状態で、低酸素状態や、交感神経優位な状況を
作り出し、脳や心臓に慢性的なダメージを与えます。
そして、加齢により発症する認知症との関連も
多くの研究から報告されています。
【アルツハイマー型認知症】
夜間の睡眠が疎外され、脳内の老廃物が排出
されにくくなり、蓄積することが関係していると
言われる。
【血管性認知症】
脳の血管にダメージを与えることで、脳梗塞、
脳出血、くも膜下出血から脳卒中を起こす
リスク上がり発症する。
上記2つは認知症の半分以上を占めており、
睡眠時無呼吸症候群を治療することが、悪化を
防ぐことに繋がります。
■ CPAP治療で改善報告も■
睡眠時無呼吸症候群の主な治療は、CPAP
(シューパップ:持続陽圧呼吸療法)です。
寝ている間、鼻や口にマスクを当て、
圧をかけた空気を気道から送り込む方法です。
高血圧、糖尿病、心臓病、認知症など、
多くの症状の悪化を防いでくれます。
睡眠時無呼吸症候群の診断には検査が必要です。
10秒以上の呼吸停止や低呼吸になる回数が
1時間に5回以上あると、診断されます。
また、睡眠ポリグラフ検査で20回以上、簡易検査で
40回以上(中等症以上)の場合、保険適用で
CPAP療法を行えます。
十分な睡眠をとっていても、日中の眠気が
絶えない方は、一度検査をすることをお勧めします。
脳を元気に保ち、これからも脳を成長させて
いきましょう!
睡眠の質を上げる情報満載です。是非、ご覧ください!
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