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第196号 目と耳の衰えは認知症のリスクをUPさせる~国際アルツハイマー学会最新情報~


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■■■ 2019年アルツハイマー協議国際会議 ■■■

つい先週、2019年アルツハイマー協議国際会議
(AAIC)がアメリカロサンゼルスで開催され、
今年もDr.加藤俊徳が参加して来ました。
 
発展するAIやテクノロジーの恩恵を受け、
アルツハイマー病の研究も大規模データを
統計解析したものや、複雑な遺伝子研究、
更には細胞のレベルでの研究も発表され、
昔では考えられなかった勢いで進歩しています。
 
ここまで研究が発展したにも関わらず、
専門家たちは「まだ入り口に入ったレベル」だと
言い、アルツハイマー病の解明の複雑さを
物語っています。
 
こういった研究データから、私たちは学び、
予防活動に繋げていく訳ですが、
テクノロジーが発展した現代であっても、
アルツハイマー病などの認知症から私たちの脳を
守る為にやるべきは“アナログ活動”であり、
 
それは『 正しいく脳を使うこと 』です。
 

■■■ 感覚機能低下で認知症発症のリスクが上がる ■■■

アルツハイマー病やそれ以外の認知症も、
様々な原因が関与し発症すると言われています。
 
見る、聞く、匂う、肌で感じるなどの感覚が
軽度に障害されるだけでも、認知症発症の
リスクを増大させると発表されました。
 
またこの感覚障害について、視覚聴覚の2つの
障害どちらもが起こると、更にリスクが増加すると
いうのです。
 
実際に、視覚又は聴覚のいずれかの障害の場合は、
リスクが11%上がるのに対し、両方の障害を起こすと、
なんと86%も認知症リスクが上がるという報告がありました。
 
実際、クリニックに来られる患者さんの中にも、
脳の聞く力が弱いと、診察の会話中、無表情になったり
少し不機嫌な様子を見せることがあります。
 
これは充分な聞き取りができていない為に、会話について
いけず、分からないという様子と言えます。
 
また、一方的に話続けるというケースもあります。
これも上記と同様に、相手の言っていることが
自分では分からないので、自分が分かることをする
と言ったことの現れです。
 
つまり私たちは「分からない」と「できない」「したくない」に
繋がり、最後は「しない」になっていくのです。
 
これが、脳を使わなくなる一つのよくある
パターンなんです。
 

■■■ 脳番地を使い認知症を予防しよう! ■■■

高齢になると、どうしても目や耳が衰えてきます。
 
老化を止めることはできなくても、きちんと脳を
使う生活をしていれば、衰えるスピードを緩やかに
してあげることはできます。
 
今回のアルツハイマー学会で発表があったように
感覚機能、特に“視覚系聴覚系脳番地”を使う
ことから始めましょう。
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【 視覚系脳番地を使う 】
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◇30メートル先を見る
 現代の生活は、遠くを見ることが減っています。
 家の窓から遠くを見る、通勤電車ではスマホ
 ではなく、外の風景を見る、スーパーでは
 売り場を見渡して欲しいものがどこにあるか
 目でチェックしてから買い物をするなど、
 30メートル先を見るトレーニングをして
 みましょう。
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【 聴覚系脳番地を使う 】
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◇ラジオを聞く
 掃除や料理など、手や足を動かしていても
 聞けてしまうのがラジオのいいところ。
 しかし今回は座って、ラジオだけを聞く
 トレーニングを してみましょう。
 ずっと聞き続けるには集中力が必要です。
 別のことがしたくなる人は、聞くことが
 まだまだ苦手な証拠ですよ。
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脳番地をきちんと使って生活をすれば、
老化のスピードを緩やかにすることもでき、
更には脳を成長させることもできます。
 
いつまでも元気で、これからも楽しい毎日を
過ごすために、脳番地を使う生活をしましょう!