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第177号 可能性広がる世界の脳研究 ~fNIRS2018~
■■■ 『fNIRS2018国際学会』開催 ■■■
2年に一度開催される、fNIRSの国際学会。
今年は何と日本の東京大学で開催されました。
プリンストン大学やスタンフォード大学など
有名大学を含む、世界37ヵ国の様々な分野の
研究者たちが集まりました。
fNIRS(functional Near-Infrared Spectroscopy)とは、
近赤外光を使った血流変動を計測する技術のことで、
この技術は、1991年、Dr.加藤俊徳が世界で初めて
脳の反応を見て画像化(イメージング)する方法として
原理を発見しました。
世界初の技術の発見から27年が過ぎ、
現在、世界中の様々な研究分野で活用されるにまで
発展してきました。
■■■ BCIとfNIRSの可能性 ■■■
コンピューター技術が発展した現代では、
脳とコンピューターを結ぶ技術、
「BCI(Brain-computer Interface)」の開発が盛んに
行われています。
BCIの中でも最も盛んなものが「脳波」を使った研究です。
脳波とは、神経細胞が発する電気活動のことです。
脳が発する電気活動をキャッチしその信号を
コンピューターに送ります。
日本の大学でも、脳波を使い車椅子を動かすなどの
研究が行われ、実用化に向かって日々取組まれています。
そんな中、fNIRSの技術をBCIに活用する動きも増えています。
中でも、釜山大学のHong教授らのBCI研究は、
脳波とコンピューターを繋ぐ方法の精度を上げる為に、
fNIRSの技術を活用する研究を行っています。
fNIRSは血流変動を計測する技術です。
この、血流変動を測る事は、脳のどの部分が活動したのかを
調べるのに大変役立ちます。
ここで、重要なポイントが一つ。
血流変動から「脳が働いた」と言う為には
本来「酸素が使われたかどうか?」を
調べることが大事なのです。
Dr.加藤俊徳は1991年にfNIRSの発見以降、
脳の酸素消費の重要性に気付き、新な解析の手法として
「COE(脳酸素交換マッピング)」を誕生させました。
要するに、fNIRSで血流変動だけみていては、
本当の脳の働きは分からない、すなわち、酸素消費がされたかを
証明できないといけないのです。
今回のHong教授らの研究は、fNIRSの計測技術と、
COE(脳酸素交換マッピング)解析法を用いており、
BCIの技術の精度を更に高める為の活用として
大いに期待ができる研究と言えるでしょう。
■■■ fNIRS更なる発展の為にできること ■■■
これまで、Dr.加藤俊徳が発見してきた
fNIRSの計測法やCOE解析が、世界の各分野に広がっています。
そして、テクノロジー技術の発展により、
これらの活用が想像もできないような形となり、
社会に広がっていくかもしれません。
今回「fNIRS2018国際学会」で脳の学校は
新たな試みとして、解析ソフトのデモンストレーションを
行いました。まだまだ改良の余地はありますが、
世界の研究者たちを支える新たな貢献ができるよう、
これからも最大限努めていきたいと思います。
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